歯周病と妊娠の関係性

歯周病と妊娠の関係性


みなさんこんにちは!

歯を守る歯科西新宿五丁目の歯科衛生士の園川です♬

みなさんはお花見はされましたか?少し肌寒い日もありますが、春を感じながら過ごしたいですね。

歯周病が妊娠中に与えるリスクとは?~健康な出産のために今すぐできること~

妊娠がわかった瞬間から、赤ちゃんのために食事や生活習慣を見直す女性は多いもの。でも、意外と見落とされがちなのが「お口の健康」。特に「歯周病」は、妊娠中のママの体と赤ちゃんに、予想以上の影響を与える可能性があることをご存じでしょうか?

今回は妊娠中に歯周病がもたらすリスク、原因、予防方法について書いていきます。

将来の赤ちゃんの健康を守るために、ぜひ最後まで読んでください。

歯周病ってどんな病気?妊娠との関係は?

歯周病とは?

歯周病は、歯を支える骨や歯ぐき(歯周組織)に起こる慢性炎症です。原因はプラーク(歯垢)に含まれる細菌。初期の「歯肉炎」では歯肉の腫れや出血がみられますが、進行すると「歯周炎」となり、歯を支える骨が溶け、最悪の場合は歯が抜け落ちてしまいます。

妊娠中は歯周病が進行しやすい

妊娠中の女性

妊娠中はホルモンバランスが大きく変化します。特にエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの影響で、歯ぐきの血流が増加し、炎症を起こしやすくなります。これにより、同じプラーク量でも妊娠前より歯ぐきが腫れたり、出血しやすくなったりします。

加えて、つわりによるブラッシングの難しさや、間食回数の増加、唾液の変化なども、口腔内環境を悪化させる要因になります。

歯周病が妊婦に与える“3つの重大リスク”

1. 早産・低体重児出産のリスクが高まる

歯周病にかかっている妊婦は、そうでない妊婦と比べて早産や低体重児出産のリスクが高くなると、多くの研究で報告されています。

そのメカニズムは、歯周病菌が血流を介して子宮に達し、「プロスタグランジン」などの炎症性物質を分泌。これが子宮の収縮を促し、予定日より早く出産が起こってしまうのです。

ある研究では、重度の歯周病を持つ妊婦の早産リスクは最大で7倍にもなるという驚くべきデータもあります。

2. 妊娠高血圧症候群との関連性

妊娠高血圧症候群(旧:妊娠中毒症)は、母体にとっても胎児にとっても深刻な影響を及ぼす病気です。歯周病によって慢性的に炎症が続くと、血管内皮が損傷しやすくなり、血圧上昇につながる可能性があると指摘されています。

まだ確定的な因果関係は研究中ではあるものの、「炎症」が鍵となっている点で両者には共通点があります。

3. 胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性

歯周病が引き起こす炎症性物質は、胎盤を通じて赤ちゃんにも影響を与える可能性があります。これにより、胎児の発育が阻害されたり、出生時体重が少なくなったりすることも。つまり、お母さんの歯ぐきの炎症が、赤ちゃんの命に関わる可能性もあるのです。

歯周病になりやすい妊婦さんの特徴とは?

  • つわりが重くて歯磨きができない人
  • 間食が多く、甘いものを好む人
  • 妊娠前から歯石や口臭が気になっていた人
  • 喫煙歴がある人
  • 妊娠前に歯科検診を受けていない人

これらに当てはまる方は、特に注意が必要です。少しでも不安があれば、早めに歯科でチェックを受けましょう。

妊娠中でもできる!歯周病の予防と対策

1. 妊娠中期に歯科検診を受けよう

予防歯科のイメージ

妊娠中でも、安定期(16週~27週頃)であればほとんどの歯科治療が可能です。特に歯周病のスクリーニングと、歯石除去、歯のクリーニングは積極的に受けることをおすすめします。

「妊娠してるから歯医者はダメなんじゃ…」と心配する方もいますが、ほとんどの場合は問題ありません。事前に産婦人科の担当医に相談しておけば安心です。

2. 正しいセルフケアを習慣に

歯磨きをする妊娠中の女性
  • 1日2~3回の歯磨きをしっかり
  • フロスや歯間ブラシを活用
  • ヘッドの小さい歯ブラシでつわりの時期も工夫を
  • 寝る前のケアは特に丁寧に

また、つわりがきつい時期は、歯磨き粉の匂いが気持ち悪いと感じることも。そんな時は、無香料やミント控えめの製品、あるいはうがいだけでもOK。無理せず「継続すること」が大切です。

3. バランスの取れた食事も大切

カルシウムやビタミンC・Dなど、歯や骨を健康に保つ栄養素は妊娠中にも欠かせません。甘いものを控えめにして、食物繊維が多く噛みごたえのある野菜類も積極的に取りましょう。

出産後も油断禁物!ママの口腔内は赤ちゃんにも影響

実は、赤ちゃんの口腔内には生まれた時には虫歯菌・歯周病菌は存在しません。では、どこから移るのかというと…それは「家族からの感染」なんです。

特に、お母さんの口腔環境が悪いと、スプーンの共有やキスなどを通して菌が赤ちゃんにうつりやすくなります。出産前からのケアは、赤ちゃんの未来の虫歯・歯周病リスクを下げるためにも重要なんですね。

まとめ:妊娠中の歯周病は予防が最も大切!

  • 妊娠中はホルモンバランスの変化で歯周病になりやすい
  • 歯周病は早産・低体重児・妊娠高血圧のリスクを高める
  • 定期的な歯科検診と正しいセルフケアが重要
  • 出産後の赤ちゃんへの感染予防のためにも口腔ケアを習慣化しよう

「お腹の赤ちゃんのために…」と頑張るすべての妊婦さんへ。健康な出産とその後の育児生活のために、ぜひお口のケアにも目を向けてみてくださいね。

歯を守る歯科では、妊婦検診を受けることができます。是非ご来院くださいね!

心よりお待ちしております。

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